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南アルプス林道歩き [お出かけ]

 自宅からのウェブアクセスが貧弱な状況のままひと月が過ぎました。

 殿様商売の某通信会社からはその後何の連絡もなく、さりとてこちらとしても改善手段があれば改善を図りたい・・・で、色々と調べてみたら、たまたま我が棟に導入されていたケーブルテレビが使えそうなことが判明し、4月下旬に申し込み、現在接続工事待ちの状況です。

 順調なら明日か明後日には自宅から快適な常時接続環境が構築できそうな案配。工事費用等は某社に比べて嵩んでしまいましたがやむを得ません。

 ところでその某通信会社なんですが、接続回線数増強のための工事を5月9日に行うという掲示が2日に団地の掲示板に張り出されたんですわ。私と同じで4月に入居して、同じ目にあった人が他にもいたんでしょうなあ。さすがに某社としても放置できなくなったようです。
 「早くても一ヶ月かかる」と言っていたのが一ヶ月しないうちに手を打ってきたわけですから、ひょっとしたら誰かが思いっきり文句を言ったのかもしれませんなあ。

 え、私ですか?今さらケーブルテレビから変更する気はありませんし、某社の回線は光回線と言っても、それを団地の棟全体で共有する形ですから、各家庭からの接続速度がどの程度になるのかもわかりませんし、何よりもともと接続を申し込んでいた我が家に対して、回線増強の工事日程が決まったのにその後何の連絡もセールス活動もしてこないという、ここまで来ると何というかご立派と言うしかない殿様商売っぷりにほとほと感心しておりますので、当然ながら某社を使う気などさらさらございません。できれば未来永劫使わずに済ませたいものです。

 

 さて、いわゆるゴールデンウィークは例年カレンダー通りに出勤することとしている私ですが、休みの日はそれなりに有意義に使いたい。今年は思うところあって、南アルプス林道(長野県側)を歩いてみました。この時期は南アルプス国立公園に入る手前の歌宿と言うところまでバスで上がれるのでそこまでバスで上がり、ちょっとだけ北沢峠方面に上って、あとは林道を下り一本。でも思っていたよりずっと大変でした。

 バス終点の歌宿は標高1700m弱ですが、ここに降り立ったのが午前6:40頃。たまたまバス停に温度計があり、見てみたら気温はきっちり0℃でした。林道脇の日陰では葉っぱに霜がおりてました。コメツガの葉におりた霜がきれいです。

 コケにも霜がおりてます。でも天気が良くて日差しが強いので、日の当たる場所だと寒さを感じません。日陰でじっとしてるとさすがに少々寒かったですが。 

 タテハチョウの越冬個体が日差しを求めて路傍の擁壁にやって来ました。標高2000m近いところですから長い冬を越してきたはずで、越冬個体だけあって羽の縁はボロボロですが、何か力強さを感じました。 

 北沢峠付近は亜高山帯針葉樹林が広がっています。シラベやコメツガの林が多いのですが、ヒメバラモミ、ヤツガタケトウヒ(ヒメマツハダ)といった、トウヒの仲間の珍しい種も分布しています。下の写真はトウヒ属の比較的若い個体。種の同定はしていません。正直自信がない。その下は路傍の低木状の個体の写真。トウヒ属だと思うのですが何でしょうね?普通のトウヒか?一番下はたぶんハリモミ。 

 特に理由はないのですが、何となく山地帯上部~亜高山帯に生える針葉樹は好みです。涼しさを感じさせるからだろうか?

 下の写真の一番手前の尾根の右端付近が北沢峠です。奥はアサヨ峰かな?当然上の方はまだ残雪があります。

 さて、林道を下っていきます。今年は冬が暖かだったので花が早いかと思っていたのですが、4月に冷え込んで雪が降ったりしたためにかえって遅れ気味だそうで、あまり春の花が見られなかったのが残念。かわりに鳥はずいぶん見ました。特にオオルリ♂と、ルリビタキのつがいをじっくりと観察できたのがよかったですね。でもコンパクトデジカメでは写真にならないので撮っていません。シカやカモシカに出会うかと思ったのですが、残念ながらこちらにも出会えず。シカの糞はたくさん落ちてましたけどね。

 道脇にはシカに樹皮を食べられた樹木がけっこうありました。

 樹皮が食われていた種なんですが、ウリハダカエデとカツラの2種にほとんど限られてました。上の写真と、下の写真の真ん中の木がカツラ、下の写真の右側の、地際から分枝しているのがウリハダカエデです。

 樹皮食いといいますが、実際に食べるのは樹皮の下の形成層ですから、樹皮が薄いウリハダカエデが狙われるのはわかるのですが、カツラがやられるのは味が良いんでしょうか?カエデもウリハダカエデ以外は食われてなかったのは不思議です。

 甲斐駒、駒津峰、双児山。光の加減であまり良い写真ではないですが。

 ヤナギの花が咲いていました。 ヤナギは芽吹きの時もぽわぽわしていますが、花もそんな感じです。

 徐々に針葉樹は姿を消し、落葉広葉樹の林になります。 最近まで薪、炭の供給源となっていたであろう林で、そんなに太い木はありませんが、あちこちにヤマザクラが生えていたりします。

 昨年は山の木の実は不作でしたが、それでも実りのあった木もあったようで、いくつかこんなふうになった木がありました。

 この木はクリの木で、木の下には栗のイガがたくさん落ちていました。枯葉のついた枝が折り重なっているのはクマ棚です。このクマ棚を作ったクマ、無事冬を越せたんでしょうか? 

 いいかげん里に近づいてきた頃、やっと花らしい花が出てきました。ヤマザクラはまだ咲き始め。 

 ハウチワカエデかな?カエデの花ってあまり注目されないですが、意外に良い色・形をしてます。 

 林床にはヒトリシズカが出てました。あとハシリドコロがあちこちにありましたが、あれは撮る気がしない・・・花が少ないのはシカの影響もあるのかもしれません。

 途中で花茎が分枝して、フタリシズカみたいになっているヒトリシズカがありました。へんなの。

 植林ですが、カラマツの新緑はきれいですねえ。

 ひたすら舗装路を下る道のりだったので、登山靴ではなくウォーキングシューズで歩いたのですが、かなりの距離がありました。林道を下りている間はまだ良かったのですが、下りきってから仙流荘までの道のりがえらく長く感じました。いやあ疲れた疲れた。もうちょっと花があればなあ・・・


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コメント 4

はてみ

お久しぶりです。
某社の人間に、Forestscapeさんの怒りを読んでもらいたいものです。
写真を見ると針葉樹もいいなあなんて思ってしまいます。
鹿が食べるのは樹皮の下の形成層とは知りませんでした。
届くところはきれいに食べられてしまっているんですね。
by はてみ (2007-05-08 23:31) 

ゴーパ1号

こんばんは。
嗚呼、まだまだ怒りは冷めないのですね。そりゃそうだ。
クマ棚って、でかいのですか?
by ゴーパ1号 (2007-05-08 23:37) 

sakamono

こんばんは。お怒りごもっともです。困ったものですね。自分の方は、その後のすっきりしたキレイな写真を見せていただき満足しています。新緑がキレイで暖かそうですが、0℃ですか。クマ棚、おもしろいですねぇ。ココでクマが眠る、というコトなのでしょうか?
by sakamono (2007-05-09 00:13) 

Forestscape

お久しぶりの返信です。
ずいぶん久しぶりの更新なのに、ご覧いただいてありがとうございます。> 皆様

さて、
> はてみさま
某社に対しては、怒りはとっくに通り越して「あきれ」になっております。やっぱり「独占」体制はいかんです。
植林はともかく、自生の針葉樹は(杉・檜も込みで)いいと思います。針葉樹は概ね広葉樹が生えられない、条件のきついところに生えるので、木に力強さとか生命力を感じさせられることが多いですね。
シカさんはどうしたもんでしょうね。困ったものです。結論は「数減らし」しかないんですが、誰がそれをやるのか、が問題なんですよ。

> ゴーパ1号さま
クマ棚の大きさですか?うーん、一番大きいのでちょっとした座椅子くらいと思えばいいですかね。ツキノワグマはそんなに大きくないですしね。

> sakamonoさま
朝とはいえ0℃だったのにはちょっとびっくりしました。日差しが強くて寒さはあまり感じなかったのですが。
クマ棚は、クマが枝を折り取って実を食べて、残った枝葉をお尻の下に押し込むことでできると言われてます。満腹になったらここで寝るんだという説もありますが、寝床を作っているわけではないと思います。
by Forestscape (2007-05-09 12:16) 

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