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コチャルメルソウ [植物]

ちょっとした山の谷筋を歩くとたいがい見られる植物で、特に珍しくもないが花の形は面白い。地味だけど。

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一眼デジカメで撮りやすくなったのがこの手のマクロ写真。
リバーサルの時と比べて感度が高くできる分思い切った写真を、しかも手持ちで十分撮れる。
まあ撮る時には膝を付いたり寝ころんだりと苦労はするけど、三脚を持ち歩き、セッティングしてから撮影、なんて面倒をかけなくてもいけるのだからありがたい。
この写真はシグマの50mmマクロで最接近して撮ったもの。風が弱かったので助かった。

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植物全体を撮るとこんな感じ。
やっぱり脇役中の脇役という感じぐらいに地味ですな。




白い花のイワカガミ [植物]

地元の市が作ったリーフレットでは「ナンカイイワカガミ」とされている。
植物写真家のいがりまさし氏による「植物図鑑・撮れたてドットコム」でもこの和名の変種がある旨書かれているが、平凡社の「日本の野生植物」には当該和名は書かれておらず、ヤマイワカガミということになる。

個人的には、葉の鋸歯などのちょっとした変異は変種として記載するほどのことはないように考えているので「ヤマイワカガミ」としておきたい。
いずれにしても、東海地域周辺に分布が限られているイワカガミのなかまで、ごらんのとおり真っ白の花を咲かせる。

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イワカガミ属は、見た目の花の美しさの割りに、写真でその美しさを表現するのが難しい。
なにか写真にするとまとまりがない感じになってしまう。
いろいろ工夫はしてみているのだけど、Googleで写真検索をしてみても、これ、という作例をなかなか見ることがない。
植物自体の魅力というより、背景の処理の仕方で写真の出来が決まるような気がする。

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花が白いので少々暗めにして花のアップをとってみた。
ふつうのイワカガミのピンク色の花よりも、純白のこの花の方が花のアップには向いているかもしれない。

コバノミツバツツジ [植物]

春先の里山を彩る花のひとつ。
ミツバツツジ類の薄紫色の花はツツジの中でも上品な気がする。
ハルリンドウの咲く湿地に向かう歩道に沿ってご覧のとおりの咲き様。

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今年はあちこちでマイマイガが大発生している。この湿地周辺でもご多分に漏れず、という状況。
この写真を撮ったのは4月半ばだったが、すでにこの時点で孵化したての1令幼虫が山ほど出現していた。
ちょっと油断して荷物をそこいらに置いておくとたくさんの幼虫に集られて困った。

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出たばかりの新葉が「三つ葉」ツツジの名のとおりきれいに3枚付いている。
しかし6月にこの湿地を再訪したらマイマイガの幼虫に食べつくされていて、ほとんど葉がない状態になってしまっていた。
樹勢の衰えや来年の開花状況が今からちょっと心配。

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クマバチが身体中花粉だらけになって飛び回っていた。


ヒメカンアオイ [植物]

名古屋あたりの丘陵地でよく見かけるカンアオイ類。
このあたりの里山はもともと土壌が薄いし、乾燥している感じがあるのだが、その中ではちょっと土が溜まっているような場所で結構見かける。
カンアオイというと林床でひっそりとはびこっているようなイメージがあるが、意外に図々しく生えているような気もする。

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例によって地味で地を這うように咲く花だが、この株は斜面のへりに生えていて撮りやすかった。
この写真を撮った場所はギフチョウが生息しているそうで、カンアオイはその食草としても有名。


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ということで正面からも撮ってみました。
花粉を媒介する生物がなんであるのかについてはいろいろと説があるようだが、とりあえずここでは天気の良い日の真昼間には媒介生物はやってこないようだ。

シハイスミレ [植物]

だと思うんですけどね。東日本にはないスミレなので今一つ自信がない。

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判断根拠は葉の形と葉の裏の色(葉の裏は下の写真でちょっと見える。葉の裏が紫色なので紫背菫と言うそうな)、そして花の色が比較的赤っぽい紫であること。

全体に毛がないのも特徴ということで、両方の写真とも毛が生えているようには見えないので、この点も合っている。

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スミレの花は正面から撮ると距が見えにくいので、いろいろな角度から撮りたくなる。
上から撮ると花の美しさは表現しづらいが、花全体の形や距の大きさ、株全体のイメージなどはよくわかる。
シハイスミレの花の距はけっこう立派ですな。

3月末に海上の森で撮影。丘陵地のようなところでよく見られ、またスミレの中でも早めに咲く種とのことであります。


ハルリンドウとフデリンドウ [植物]

ハルリンドウは名古屋の近辺ではあちこちに自生地がある。

昨年は4月の異動から一息ついた4月末頃から動き出したため、名古屋付近の低地の湿地では花期が終わってしまっていた。5月の連休に愛知東部の湿地で見ることはできたが、手の届く範囲に生えた株は花が咲くと盗掘されてしまうようで、いい写真が撮れるような状態ではないのが残念だった。

今年は3月末の海上の森をはじめに、何度もいい感じの株が見られた。
この写真は海上の森のもの。

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地際に出ている、ちょっと大きめで地面にくっつくように出ている葉(根生葉)があればハルリンドウ。
また、ハルリンドウは1つの茎に花は一つだけ咲く。
手前のつぼみの形はドリルの先端みたいだ。


こちらは昨年の舟伏山の記事 http://forestscape.blog.so-net.ne.jp/2013-05-10 でも載せたフデリンドウ。茎から出ている葉が大きくなっているので根元がちょっと見づらいが、ハルリンドウのような根生葉はない。

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一つの茎から複数の花が出ているのも特徴。もっとも小さい株では一つの茎に一つの花しか付かないものもあるので、ハルリンドウとの識別の決め手にはならない。

リンドウが咲くのは天気が良い時。
この時期ならば少々照らされても気にならない。むしろこの後の日差しが強くなる季節に向けて、少しずつ肌を日差しに慣らしていく。


ショウジョウバカマ [植物]

3月末に海上の森で見たショウジョウバカマ。

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ちょっと湿っぽいところでよく見かける。
花が咲くのは雪のないところだと春先、積雪の多いところでは雪解け直後。
海上の森では3月末に花を見たが、生育範囲はとても広くて、亜高山帯の湿原や雪渓のそばなどでは雪解けの状況に応じて7月末や8月にも花が咲いていたりする。

あんまり撮影の工夫の余地がない感じの花だけど、見るとついつい撮ってしまうのだから、あまり意識はしていないが好きな花なんだろうな、と思う。

ぐるりと一回り地面にへばりついて出る、のっぺりとした感じの葉が特徴的。
花茎は花が終わって種をつけるときにはよりぐんと高く伸びる。

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なかなか素敵な株を見つけた。
自然の造形だけど、周りに見えるコケ類、イネ科の植物、シダとセットになって、自然風の園芸作品のようにも見える。


タチツボスミレ [植物]

春の山野で一番よく見かけるスミレ。
その意味では、種としての「スミレ」よりもこちらの方が「ふつうのスミレ」という感じがする。

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でもタチツボスミレ、ツボスミレなどは地上に枝分かれする茎がある点で他の多くのスミレの種と異なっていて、「ふつうのスミレ」ではなかったりする。

それはともかく、春先の無彩色っぽい地面にこの色の花が一面に咲いているとやっぱりきれい。
野草好きの私としてはソメイヨシノなんかどうでも良いが、タチツボスミレの花を見ると、春が来た、と実感する。

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花の中央の白いめしべと黄色いおしべの付属体がかわいらしい。
しかしこうして大きくして見ると、花茎は結構毛深いね。


アセビ(海上の森) [植物]

更新再開は直近に行ったばかりの南アルプス林道ネタでしたが、今日からはちょっと戻って今春を振り返りつつ行きます。

アセビは有毒でシカに食べられないため、シカが増えた地域で勢力を拡大している印象がある。
名古屋の東の丘陵地では特にシカが多いわけでもないが、この辺りは過去からの経緯で土が痩せていて乾燥気味であるため高木層の発達が悪く、その一方でアセビをはじめとして低木のツツジ類は多く、よく目立つ。

釣鐘型の花を咲かせるツツジ類は好みなのだが、その中ではアセビは今一つ好きにはなり切れない種。
シカのおかげで勢力拡大という現状がちょっと気に入らない。

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といいつつも、この白い花の房は魅力的ではある。これならそのまま園芸種にできるよなあ。
これは3月末の写真。海上の森の駐車場から歩き始めてすぐの道脇にたくさん咲いていた。


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花は純白だけかと思うと、微妙に紅がかかった感じの花をつける株もあったりする。
ほとんどの人はアセビの花など気にもせずにすたすたと歩いて行ってしまうが、こういうちょっといいものを見つけられるとうれしいものです。


シロバナヘビイチゴ [植物]

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南アルプス林道で路傍にたくさん咲いていた。
果物のイチゴと同じ「オランダイチゴ属」で、要は日本産のワイルドストロベリー。

能郷白山の名を冠した「ノウゴウイチゴ」も同属だが、両白山地あたりをうろついていてもシロバナヘビイチゴを見かけるほうが多いように思う。
ノウゴウイチゴの花は花弁が小さい代わりにたくさん付くので、形としてはシロバナヘビイチゴより面白いのだけど。
 

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匍匐枝を出して横に伸び、地面を覆っていく。
路傍に生えているものは上に伸びるとシカに食べられてしまうようで、葉は小さめ、草丈も低いままのものが多かった。
側溝の縁や金網の中など、食べにくそうな場所に生えている株は葉も大きく、草丈ももっと伸びていたが、写真に撮るなら小さいほうがかえって撮りやすいかな。


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